白鳥伝説と縁結び

白鳥伝説

社殿の右手には、立派な招魂社があり、
さらに境内の右手に行くと、蓮池と独鈷水がある。

独鈷水
弘法大師が、独鈷によって掘り出したといわれる清水の源が、独鈷水として神社の東にある。また弘法大師は伊香の小江(湖沼)に住む大蛇(あるいは悪龍)を退治して
湖を埋め、田を開拓し独鈷を以って
池を穿ち大蛇の霊魂を鎮めたという伝説が伝わる。
また、独鈷水を用いて製造した生糸は光沢があり、弾力性に富み、当地の産業をになっていたという。

蓮池は、当時の伊香の小江の形状を模した遺跡だと伝えられている。

伊香の小江には、白鳥伝説(羽衣伝説)が残されている。
水浴びに来ていた八羽の白鳥(実は天女)の羽衣を伊香刀美という猟師が、白い犬を使って隠したため、帰れなくなった天女は、彼と結婚したという話で、各地に残る羽衣伝説の中でも、最も古い話だといわれている。

伊香刀美と天女の間に産まれた子供が伊香氏の祖であり、
伊香刀美こそ、当社祭神である伊香津臣命であるという説もある。

琵琶湖のことを(大江)と云い、小江とは小さな湖 あるいは湖沼のことを云います。昔このあたり一帯は 四方を山に囲まれた伊香小江(いかごのおえ)と云う小さな湖でした。岸にはアシが生い茂る湖沼だったのです。 あるとき八羽の白鳥が飛来し津浦のあたりで水浴びしているのを西の山で猟をしていた伊香刀美が見て、ひそかに白い犬を使って羽衣を隠してしまいました。羽衣をなくして天へ帰れなくなった天女の一人は伊香刀美と結ばれ二男・二女の子供を設けました。これが伊香連の祖先であるといわれています。この伊香刀美は伊香具神社の御祭神である伊香津臣命といわれています。この話は日本各地に伝わる羽衣伝説のなかでも最も古い一つです。(「近江風土記」より)

伊香の小江は人皇五十二代、嵯峨天皇の時代に弘法大師が悪龍を退治し、また伊香の小江の水を排し、このあたりが耕地化されたと明音山・千手堂縁記に書かれています。 昔このあたり一帯が湖沼であった証拠に田の底からは 今もアシが掘りだされます。

独鈷水

蓮池

伊香小江と白鳥伝説/説明書き

縁結びの神

当社は伊香具神社の境内社として古くより比の地(三の宮番場)に祭られています。
近江風土記に見られる白鳥伝説によれば、この辺り(通称木之本盆地)は古代は琵琶湖の入り江であり、「伊香の小江(いかのおえ)」と言われ、この小江の津浦(つのうら)に、ある日、八人の天女が白鳥に姿を変えて、水浴していたという。これを見た、この地に住む伊香刀美(いかとみ)という漁師、白い犬を行かせうち一羽の白鳥(天人)の羽衣(着物)を取らせました。
天に帰れなくなった天女は、伊香刀美と夫婦となり、四人(二男二女)の子供をもうけました。
この人達こそ、この地方(湖北地方)の祖先であると記されています。伊香刀美とは当神明大社、伊香具神社のご祭神、伊香津臣命(いかつおみのみこと)のことであり、その子供の一人(長男)が当社(三の宮神社)の祭神の臣知人命(おみしるびとのみこと)である。
「近江風土記より」

この話は日本各地に伝わる羽衣伝説の中でも最も古い一つである。「近江風土記より」

里の伝承(言伝)によれば、この神社は他人(ひと)に見られず参拝し、「縁結び」の祈願をすると、きっと御利益があると言われています。住時当地方、製糸業盛んなり頃は、夜なく杖をひく人が絶えなかったと。里の古老は今に語り伝へています。また一説には、羽織の紐等を供え、祈願をし恋う人に贈ったとか・・・・・・
「里の語い部より」

祭日 毎年一月十九日
三の宮神社々中

三の宮神社